ステージタイガーへ

'15年 0917

無知の知(森)

無知の知、という言葉をご存じだろうか。

そう、かの偉人ソクラテスの言葉である。

私は何も知らないという事を知っている。

自分が無知であるという事を知っている。

この過去の哲学が現在に、そしてまさか自分が身を持って痛感するという事を
昨日までの私は知らなかった。


時期がら、そして現在の自分の社会的状況においてスーツを常に装備しつつある。
だが、今は夏。そう夏なのだ。
頭に降り注ぐ熱線。
流れる汗。
ほとばしる汗。
血と汗と涙を流したといっても過言ではないこの現状。
舞台は日本国内。inトーキョー。
私は標準語ばかりの雑音の、この落ち着かない環境の中で目的地へと急いでいた。
無論、この炎天下の中でスーツという重装備なんかをして歩いていると
流れ出るものも流れ出てしまうので、白いシャツは肌にピッチリと吸い付いてしまう。
周りを見回すも、何かに追われているかのようにせかせかと歩く東京人。
しかし、顔色はどれも涼しげだ。
それもそのはず、
半そで半ズボン、またクールビズの社会人にはこの苦難を感じる由もないのだろう。

携帯、サイフ、ipod、という現代の三種の神器を持ち、準備は万端いざ行かん、
と息巻いては見たものの、唐突に泣き叫ぶ腹の虫。
やはり腹が減っては戦はできぬと昔の偉人の言葉を思い、
目についた某牛丼チェーン店に駆け込んだ。

せっかく関東の、それも首都である東京に来たのだから、もっと良いものを(牛丼が悪いというわけではないです)
食べればいいものをとも思ったのだが、いかんせん時間もない、お金もない。

日本の首都とはいえど、某牛丼チェーンのお店は関西と変わるべくもなく、
いつもの見慣れた風景がそこにはあった。

人と会う直前であったため、あまり満腹の状態でいくのもよろしくないと思い、
いつもとは違う欄を眺めてみる。とはいったもののここはやはりチェーン店。
メニューが豊富とは言い難く、あって4種類の牛丼が並ぶだけであった。

今、振り返ってみる事で初めて感じたのだが、当時は初東京、トーキョージャングルというこの未開の土地で
私は興奮していたのだと思う。

あろうことか、いつもとは違ったものを食べてみたいと思いプラスティックのメニューを裏返してしまった。
そこにあるのは{定食}そして{牛皿}。

「牛皿ひとつお願いします。」

勝手に口が動いていた。
普段は目にしないこの{皿}の文字に目がいってしまったのだ。

ここで私は気づくべきだった。
店員さんと周りの客の好奇の目に。

ほどなくして運ばれてきた一つの皿。
肉、たまねぎ、そして、汁。



え!!!!!

牛皿にご飯ついてないの!!!

!!!!!!!!!!!!!

思わず発した大声。
印象に残っているのは、となりのおじさんが盛大に牛丼を吹きだした事だけだった。


無知の知、という言葉をご存じだろうか。

そう、かの偉人ソクラテスの言葉である。

私は何も知らないという事を知っている。

自分が無知であるという事をしっている。

しかし、私は一つだけ知っている。

牛皿にご飯はついていない。


posted by ステージタイガー at 19:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 元虎たちのブログ
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