集合写真はすでに、他の方があげてらっしゃるので。
愛すべき田代チームの写真でもって。
今回は、劇団10周年となる記念の公演
ステージタイガー 「ファイアフライ」
ご来場いただきまして、誠にありがとうございました。
これはいつもいつも思っていることなんですが、
今持って、もらってばっかりの僕だなって思っていましたが。
見に来てくださった方、共演してくれたみなさん、
みなさんに、何かを与えることってできていたんだろうか?
毎度毎度、舞台の熱がおしまいになるたびに思います。
大きな声を出して、汗かいて、走り回って。
これが何かになってるんだろうか、とかいうことを。
これでも一応悩みながらやっていますもんで、本当にこれでいいんかな、とか。
この本はどこが面白いんだろうかとか。
変な言い方になっちゃったけど、なんとなく、ではなくて「ここが」って確信がないと伝えられませんもの。
今回僕は舞台上に出てくる二つの花火会社の片方、田代製作所の、
跡取り(予定)息子の田代航平を演じました。
深堀すれば深掘りするほどに、見えてくるこの作品のおおきな ワームホール。
「穴」とはいいません。ワームホール。多分どこかに繋がっている。
スターウォーズで言うところのエピソード4とか6と9あたりがこの「ファイアフライ」だと思っていて。
これは勝手な空想話。絵空事。
エピソード1ってのは菊と田代がなぜ花火を志したのか
エピソード2とか3あたりが、成績いいのに、みんなの注目が兄貴に集まりすぎるから嫉妬してしまう弟隆二の東京への憧れと、風間の結婚。タケルの登場。
エピソード5とかは北代さんに赤西夫妻のラブコメをやってもらって。
7とか8あたりで、僕ら夫妻が、捕まっちゃった弟の面会に行くシーンでもあるんじゃないかな
って。
大分と補完しなくっちゃ見えてこない話もあるんじゃないかなーって思ってたんです。
で、何が言いたかったかっていうと、
今回のファイアフライでは、僕、弟のこと大好きなんですよね。
前回のハルカス、アート館の時の作り方では演出指示もあって、ちょっと、やっかんでいた部分があった。
でも今回は、みんなの真ん中にいる田代は、調子にも乗るし、子供っぽいところはあるけれど、
人を惹きつける魅力があって、そのお返しができるほどにみんなのことを好きでいる。
そういう人物像にしたかったんです。
敵対するなみはなチームとも、遊びの延長で喧嘩をしている感じ。
そんなに試し打ちの場所なんて重要と思ってなくって、その場の楽しさが大事。
みんなで遊ぼう。そんなニュアンス。
そんな風に考えられるようになれたのは、オーディションを経て参加してくれたみんなのおかげ様。
稽古をすればするほど僕は共演者の人のことをどんどん好きになっていって、
できることなら、僕は、田代という役柄を「ひっぱっていくリーダー」的な存在じゃなくって、
みんなと「並走して、支えられている」うつけ者にしたかったなという思いがあったんです。
結果、少しづつ、同じ高さで接することができるような、田代航平が出来上がったんじゃないかなと思っています。
ほんで、何が問題かっていうと、
田代にはあるけれど、僕個人にはそんな大きな器がないっていう現実的な壁なんす。
毎度毎度思うことには、僕個人、白井宏幸としては、演じる役の人って、
いいところもダメなところもあるけれど、物語の中では結構自己犠牲をしたり、
勇気を持って決断したり、物語ですから、いろんな場面を乗り越えていくんです。
が、現実の白井には、そういう力が、あんまりない。
思った以上に、ない。
そうして、ここで、タイトルにかえってくるわけ。
創り物の力を借りて っていうのは、役作りのために考えた人物に、
なるべく現実の白井が近づければいいな、っていう話。
与える側の人間になれただろうか、
田代を演じたことで、白井は人間として、ちょっとでもましになれたんだろうか、っていう話。
それはまだ答えの出るものでもないかもしれませんが、
素敵な仲間が増えたように思います。
田代チームだけじゃなくって、相手さんの赤なみはなチームも、緑消防団チームも。
こういう、なにがしかの気持ちが、
見に来てくれていたお客様にも、なんかふわっとした状態でも、伝わっていたら嬉しいなと思います。
応援してくれたみなさま、
みにきてくれたみなさま、
きにかけてくれたみなさま、
本当にありがとうございました。